激変する時代に、石井電気工事が見据える電気工事業の未来
生成AIの進化、再生可能エネルギーを取り巻く環境の変化、そして現場を支える技術者の価値。
電気工事業を取り巻く状況は、いま大きな転換点を迎えています。
今回は、東京都市大学の岩尾教授と弊社代表の石井による対談を通じて、生成AIによる業務効率化の可能性、洋上風力や蓄電所といった再エネ領域の現状、そしてAI時代においても決して失われない「現場の力」について語り合いました。

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岩尾 徹 氏
東京都市大学 教授
電力・エネルギー・環境を基盤に、AI、公共交通、地域・教育、探究・共創などの領域を横断し、これからの社会のあり方を構想し、実践につなげる活動に取り組んでいる。最近では、シミュレーション技術や数値解析の知見を生かし、生成AIの不確実性を検証しながら適切に活用する実践的なアプローチにも注力している。
見積もりが2週間から1日半に。
AIが変えていく業務のあり方
岩尾教授:AIの登場によって、電気工事の業務にどのような変化を感じていますか?
石井:先日、東京のある企業から「見積もり業務はAIを活用している」と聞きました。
1億、2億規模の見積もりとなると、従来であれば1週間以上かかるのが当たり前でした。それがその企業では、材料の拾い出しから含めて1日半ほどで完了するとお話されていて、驚きましたね。AI活用の可能性を感じています。
岩尾教授:私自身は、AIに複数の条件や視点を与え、それぞれの出力を比較する使い方を試しています。
最終判断は人が行うことが前提です。
一方で、生成AIは、事実と異なる内容や根拠を確認できない内容を、もっともらしく出すことがあります。
一般に「ハルシネーション」と呼ばれる問題です。
実在する個人名や機密情報を意図せず出力する場合は、ハルシネーションだけでなく、プライバシーや情報管理の問題として考える必要があります。
いずれの場合も、出力内容を人が確認し、入力・参照させる情報の範囲や、利用サービスの設定を管理する必要があると考えています。
石井:AIは導入すれば、すぐに求める結果が得られるものではありませんね。
弊社でも、使い方を見極めながら、いかに業務効率化につながるかを検討していきたいです。
洋上風力のリアルと注目の成長分野
岩尾教授:石井電気工事では、風力発電分野に参入されたご経験がありますね。
風力発電設備における電気工事事業の現状について、どのように感じていますか?
石井:弊社では、令和3年から風力発電分野に取り組み、令和5年には洋上風車建設工事にも参入しました。弊社では、中小企業の電気工事会社として国内初だと認識しています。
私が実際に携わって驚いた点は、材料の多くが海外製の機器であるという点です。
さらに、その機器を扱うために海外の技術者を呼ばなければならない仕組みになっていることも、大きな課題だと感じました。
岩尾教授:案件ごとの事情はありますが、海外の技術や経験を取り入れながら、国内にも知見を残していくことが重要ですね。
石井:おっしゃる通りです。地域の電気工事会社として担える領域を広げていきたいと考えています。
現在私が、成長分野として注目しているのは「蓄電所」です。
再生可能エネルギーを支える仕組みが広がるなかで、地域の電気工事会社としてどのように価値を発揮していけるか。そこをしっかり考えながら、次の事業展開につなげていきたいです。

AI時代でも、現場の仕事はなくならない
岩尾教授:AIが進化しても、実際の現場で施工し、確認する役割は人が担いますね。
石井:そうですね。そこがまさに、電気工事がなくならない理由だと思います。
AIによって効率化できる業務は増えていくと思います。一方で、現場の施工、確認、状況に応じた判断には、技術者の経験と責任が欠かせません。
電気工事という仕事は、決してなくならない。私はそう考えています。
岩尾教授:自分の手で作業し、結果を確かめる経験は、次の仕事への意欲や、技術者としての誇りにつながる可能性がありますね。
石井:電気工事は、建設業の中でも国家資格に支えられた専門職です。
しかし、高度な知識と技術力を必要とする業務にもかかわらず、建設業界で軽視されている現状に私は強い不満を抱いています。
実は電気工事は作業するだけの仕事じゃなく、頭の中で設計を考え、手を動かしていくクリエイティブな仕事。
だからこそリスペクトを込めて、先日、施工管理技士の資格手当額を大幅にアップしました。
業界の未来を担う若手が仕事に誇りをもち、モチベーション高く取り組むためにも、将来的にもっと金額を上げていく予定です。
また、プロフェッショナルな仕事には、環境が重要。
現場を掛け持ちさせない、仕事の丸投げをしないなど、完成度の高い仕事をするための環境づくりには注力し続けます。
電気工事の価値をどう高めていくのか。
これは当社だけでなく、全国の電気工事事業者の皆さんとも一緒に考え、取り組んでいきたいテーマですね。
電気工事業を取り巻く環境は、今、大きな変革の時代を迎えています。
AIの活用や新たなエネルギー領域の広がりなど、私たちに求められる役割も、これからさらに変化していくはずです。
そのなかで石井電気工事が大切にしていきたいのは、現場で培ってきた確かな力です。
■状況に応じて柔軟に判断し、最適な方法を考える対応力。
■価格だけではなく、技術と提案で選ばれる力。
■根拠のある見積もりを支える積算の技術。
これらは、経験豊富なベテランたちが積み重ねてきた、私たちの大きな強みです。
そこに若手ならではの柔軟な発想を掛け合わせることで、石井電気工事はこれからも、現場ごとに最適な答えを設計し、確かな施工へとつなげていきます。
変化を恐れず、必要な技術を前向きに取り入れながら、
私たちはこれからも、【状況に応じて考え、設計し、実行できる電気工事会社】として、社会と現場の安心を支えてまいります。
※対談内の発言は、個人の見解であり、所属機関の公式見解ではありません。